daito's diary

猫のちゃあと趣味のこと。

「生存者ゼロ」も途中でやめられなかった

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「ゼロの迎撃」がとても面白かったので、安生正氏のデビュー作を読んでみました。
2012年第11回このミステリーがすごい大賞受賞作です。
 
あらすじ(裏表紙より)

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた―。未曾有の危機に立ち向かう!壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描く、第11回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

 
 パニックサスペンスって言うのでしょうか。
あらすじからすると、感染症学者と自衛官がパンデミックを阻止するように見えますが、そんなわかりやすい物語で、大賞を受賞できるはずがありません。
序章からすごい展開です。
感染学者富樫の悲劇から物語が始まります。
ジャングルで細菌研究を行ていましたが、妻を感染症で失い、さらに息子まで失ってしまいます。
この悲劇が富樫を狂わせ、周りも巻き込まれていきます。
主人公の一人がこれで良いのかと言うほど堕ちて行きます。
一方、自衛官の廻田です。
石油掘削基地からの通信が途絶え、テロ攻撃を想定して出動します。
しかしそこで目撃したものは、見るも無残な感染症を疑わせる死体の山。
この事件のトラウマから、一人の部下が自ら命を絶ってしまいます。
その責任から情報隊への異動が命じられます。
そんな中今度は北海道の中標津で同じ様な事件が発生します。
さて、彼らは真相を突き止め対処することができるのか?
 
この物語が凄いのは、事件が発生した場所ではタイトルの通り、生存者がゼロなところ。
異変を察知した地元警察も救急隊も全滅です。
一体何が起こっているのか手がかりがなかなかつかめません。
パンデミックとなれば国際的にも大問題です。
そんな中、手をこまねいている内閣。
どうしようもなくヘッポコです。
このヘッポコ達のお陰で被害が広がります。
挙句の果てにとんでもない決定をします。
よくぞここまで、ヘッポコに書き上げたものです。
安生氏はきっと政治家に対してなんの期待もしていないのでしょう。
 
そして事件の真相が解明されていきます。
えーっ、そう言うことですか!そう来ましたか!
確かにその伏線がそこはかとなく匂わせてはいましたけど、まさかの展開です。
真相が解明されてもまだ被害は広がっていきます。
大団円と行かないところが、この作品のキモかもしれません。
最後の最後まで気が抜けません。
エンディングも何かを暗示するような締め方です。
 
今回も481ページ一気読みでした。
やはり途中で止めることができんせんでした。
ちょっと疑問が残るエピソードがありましたが、次から次へとスピード感のある展開で、飽きさせません。
何より主人公の一人が崩れていくさまが、人の弱さを物語っています。
夢中になって電車の乗り過ごしにご注意下さい。
ではでは。