daito's diary

写真のこと、身の回りのこと

フェルメール展に行ってきた

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上野の森美術館にフェルメール展を観に行ってきました。

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美術館に行くのは数十年ぶりでございます。
学生の頃に学校行事で行った記憶がかすかに残っている程度で、何を観たかは全く覚えておりません。
その程度の人間がなぜ、フェルメールなんぞを観に行ったのか。
それは写真を撮るからです。
写真を撮っているならぜひ観たほうが良いという教えに習って、行ってまいりました。
美術のことなど全くわからず、予習も全くしておりません。
今回の展示はフェルメールだけにとどまらず17世紀のオランダ絵画を楽しむことができるそうです。
まずは入り口で音声案内の機械を受け取ります。
石原さとみのナレーションで解説が流れます。
おじさん、それだけで嬉しいです。はい。
 
 遠くから見たり、近づいてみたり。
中には展示の境界線を超えそうになって、注意されている人もいました。
それから、展覧会に通いなれている方でしょうか。
単眼鏡や小さな双眼鏡を持ってきていました。
なるほど、境界線の向こう側からでも細かい部分まで鑑賞できますね。
単眼鏡や双眼鏡で鑑賞したくなるほどの繊細な筆使いで、衣服や光の質感が描かれています。
黒い服のシワがわかるグラデーション、ビロードや絹の光沢、壁のシミ、糸より細い線で描かれた帆船のロープ…。
リアルに描こうとするエネルギーが伝わってきます。
そこには狂気すら感じました。
金や名声だけにとどまらない何かが、彼らを突き動かしこの作品たちが生まれてきたのでしょう。
 
 特に目を見張ったのはヤン・ウェーニクスの「野ウサギと狩りの獲物」です。
ウサギの毛並みがもすごくリアルでよく見ると一本一本描かれているではありませんか。
見ているだけで手触りが伝わってくるかのようです。
写真でもこの手触り感が伝わるか難しいところです。
 
 さていよいよフェルメールの間です。
入り口通路はスリットから光が漏れるように演出されています。
 
展示作品は
牛乳を注ぐ女
マルタとマリアの家のキリスト
手紙を書く婦人と召使い
ワイングラス
手紙を書く女
赤い帽子の娘
リュートを調弦する女
真珠の首飾りの女
 
 私が一番目を奪われたのは「赤い帽子の娘」でした。
ハイライトの描き方がまるで写真のようです。
小さな作品ですが、その細かい手の入れ方に圧倒されます。
日本初公開の作品だそうです。
「ワイングラス」は女性が口にしたワイングラスの透明感の表現に惹きつけられます。
 
 他の作品も光の描き方が繊細で美しく、まるでその方向から本当に日光があたっているかのような錯覚をおこさせます。
フェルメールの間は滞在時間が長くとても混み合っていました。
人垣が何重にもなって、なかなか間近で見ることができません。
一通り鑑賞が終わってもまた、最初から見直してしまいます。
名残惜しいのか、学芸員さんを捕まえて歓談している御婦人たちを見受けました。
学芸員さんも楽しそうに対応していました。
 
 お土産に図録を購入しました。
これで家でも楽しめます。
なんとなくアートファンの気持ちがわかったような1日でした。
 
 これから行く方へのアドバイスです。
9:30~10:30の回の入場がおすすめです。
私は10:30ギリギリで入場しました。
全く待たされずに入り口へ直行できました。
その後の11:00~の回はすでに長蛇の列で待たされています。
さらに午後の回になると入場まで20分待ちの状態でした。
平日でこれですから、休日はもっとたいへんなことになっているのでしょう。
チケットも前売りで準備しておいたほうが良いですよ。
 
写真を趣味にしている人は是非見に行ってください。
外に出た途端に、光が違って見えるような気がしますから。
 
この後上野公園でスナップしてきました。
果たして写真は変わってくるのか…。
ではでは。